SARSの教訓
ブログの存在を忘れていた。
コロナウイルスの騒ぎが勃発してから、香港では9割以上の人がマスクをしていると思われる。
健康な人でもマスクをしてないと病原菌のように見られる。
「香港人はSARSを経験してるから」という。
なるほどそうか。
マンションは商業施設のビル管理はさすがに行き届いていると感じる。
政府はマスク推奨なのかそうでないのか二転三転。
政府が調達する兆しがないからと個人輸入したマスクが、郵便局員までも自宅待機させるから一向に配達されず、集団パニックに拍車がかかった。
この騒ぎで旅行業飲食業をはじめ、突然失業する者も多数出ているはずだが、労務局もほぼ機能していない。
相変わらずの無能行政。
そして個人。
マスクマスクと騒ぐ割に、2003年のSARSから17年、家にマスクの備蓄がない人大多数。
中国との境界を全閉鎖しろと騒いで、閉鎖が決まったら決まったで、日用品の買い占め。
マスクしたって安定の不衛生さで火鍋が原因で9人感染。
ビルの除菌くらいしかSARSの教訓生かされてないではないか。
兎にも角にも世界中が過剰反応しすぎである。
レンガ殺人に関連し10代の容疑者5名逮捕
表題の通りである。
11月13日に、道路に散らばっている障害物を退けていた一般人とその行為に反対するデモ隊とのレンガの投げ合いが始まり、スマホで撮影していた70歳の男性が殺された。
黒づくめで顔も見えないのによく逮捕できたと思うが、先日発表された80万ドルの賞金が関係しているのかも知れない。
15〜18歳の5名が逮捕されたとのこと。
この中に男性の命を奪った人がいるのか不明だが、やりきれない思いだ。
80万人デモの陰で最高裁放火
昨日のデモは大きなトラブルも少なく、抗議活動の本来あるべき姿に戻りつつある気がする。
主催者は80万人、警察は18万人と主張しているが、実際の数字は間のどこかであろう。
十分に大きなデモと言える。
こういうデモならいくらでも歓迎する。
そして政府は真摯に向き合うべきとも思う。
(向き合える部分に限って。5大要求のうちの2つは言語道断。)
しかしながら相変わらずどうしようもない馬鹿がいるものである。
殆ど報道されないが、どこかの馬鹿が、終審法院(実質最高裁)に火炎瓶を投げた。
大したダメージがないと言えばそうなのだが、対象が最高裁という法治の象徴だ。
更に"the rule of law is dead"(法の支配は死んだ)と落書きもされたいたと報道されている。
どの口が言う。
馬鹿は死んでも治らないというのはこういう輩のことを指しているのだろう。
都市伝説を面白おかしく拡散
通常の生活に少しずつ戻り、知人と顔を合わせる機会が多くなった。
すると民主化、デモ、暴動、選挙の話になる。
知人は男女国籍問わずビジネスパーソンが大半であり、年齢も30代後半以上なので、大体意見が寄る。
「普通選挙に賛成だ(或いは反対しない)が、手段には賛同できない」というものだ。
これが中高大学生、新社会人の集まりであれば真逆の意見に寄ると思われる。
同じような意見の人しか集まらずエコーチェンバーを確立してしまっている。
ユーザーの好みをデータ取得し、似たようなコンテンツをサジェストするソーシャルメディアのアルゴリズムもこのエコーチェンバーに拍車をかけている。
今の香港の問題のひとつは、お互い耳をふさぎながら好き勝手叫んでいるだけで、解決策を見出そうにも話し合いが進まないことではなかろうか。
明日の合法デモが平和的に終われば、対話への希望も見えてこよう。
ところで「フェイクニュース」自体がトランプの大統領選から一般的に耳にするようになった単語であるが、この表現は政治利用(気に入らないものすべてフェイクと主張)されやすいらしくもう古いという記事を目にした。
今はmis-information、dis-information、mal-informationを使い分けるのだという。
・Mis-information. Information that is false, but not created with the intention of causing harm. 悪い意図がなく拡散される虚偽情報。
・Dis-information. Information that is false and deliberately created to harm a person, social group, organization or country. 悪い意図があり拡散される虚偽情報。
・Mal-information. Information that is based on reality, used to inflict harm on a person, organization or country. 個人情報等、悪い意図があり拡散される正確な情報。
今の香港はdis-informationとmal-informationが蔓延している。
この虚偽情報に、リテラシーがあるようでない大学生以下の未成年者が巧みに焚きつけられ、中には犯罪歴までついてしまう者が出ているのだから、なんとも嘆かわしい。
注:中には正確な情報もあろうが、圧倒的に虚偽情報或いは正誤がまだ確立できていない情報をもとに義憤にかられ、不法行為に手を染めていることが多い。
都市伝説レベルの情報を面白おかしくソーシャルメディアで拡散する日本人もこの行為に加わっているのだが、未来ある多くの人の人生の転落に加担している自覚はないのだろう。
わかってないという意味ではmis-informationの部類なのかも知れない。
合法デモ 前進か
日曜開催の香港島側デモが警察認可を得た。
先週の九龍側のデモも認可を得ていたのだが、途中からトラブルになり、催涙弾と店舗地下鉄破壊とお決まりのパターンに発展した。
今回は警察の非暴力的デモ実施の呼びかけに対し、デモ開催側も非暴力を徹底すると約束したと報道されている。
大きな前進と素直に期待したい。
米下院 ウイグル人権法案可決
順番が逆としか言いようがないが、香港人権法成立に続き、今度はウイグル人権法案が米下院によって可決された。
アンチ中国の勢いが増しているため、恐らくこちらも上院可決、大統領署名という流れになるだろう。
さすがに甚大な人権侵害が起きている新疆ウイグル自治区。
なにせ100万人が政治犯罪で収容されてると言われ続けている。
多少脚色があるにせよ、民族も文化もまったく違うウイグル民族を中狂が迫害し続けてきたことは疑いようもなく、可決に違和感がない。
注:大概の香港人は2代も遡れば大陸人。
法案も香港のものとは対照的で、人権侵害の所謂罪状が具体的であり高い信憑性を伺わせる。
また、香港人権法と同じく毎年報告書の提出が義務付けられるが、これに関してもウイグル人権法の方が報告項目が多く具体的。
制裁としては、結局は人権侵害に加担したと断定された政府高官の米国内での資産の凍結等、どちらも似通っているが、実際に制裁の対象にならないであろう香港に比して、新疆は制裁されるのではないかと推察する。
余談であるが、法案の段階では報告書の提出者を米国務長官としていたものの、実際成立した香港人権法は米商務長官にトーンダウンされている。
注:日本の外務省に相当する米国務省だが、米国政治において国務省は商務省より遥かに影響力を持つ。国務=文化の輸出=外務という原理であろう。
ウイグル人権法案ではどうなるかが見ものだ。
中狂の発狂も香港の比ではないのではなかろうか。
自由のその先に何を求める
街は雑だし人の声はデカいし、嫌なことも多い香港だが、良いこともある。
香港政府の透明性 日本18位、台湾31位より高い 世界14位
人間の自由度 ニュージーランド、スイスに次いで 世界3位 (経済自由度は世界1位) つまり日本より自由
香港警察 長らく世界1位と評価されていた
どれもこれも今年はランク落ちるだろう。
今や警察も白バイで後ろから黒服集団に突撃したりと、頭おかしいのが出てくる始末。
注:威嚇射撃なしの実弾発砲、催涙弾の水平撃ちは大いに批判があるが、「至近距離にいる」「暴力的集団」に限っては、机上の空論。当然、至近距離にいない平和的集団に向けてならばあってはならない国家暴力。
これは明らかに常軌を逸している。しかし、既に職務復帰したとのこと。
むやみやたら叫んでる連中は所謂民主主義国家に住んだことがないからなのだろうか。
確かに中狂がやいのやいの吠えてきてうるさいが。
香港ほど「実質」自由なところは民主主義国家でもなかなかないと考える。
小生も10年以上欧米在住経験があるが、そこには普通選挙はあっても、警察にたてつくことは文字通り命がけであり、夜一人で歩くことでさえ物騒だ。特にアメリカは。
民主主義と自由を要求するのはいいのだが、その先に何を求めているのか。
選民意識を持っている香港人には受け入れがたいだろうが、行政長官を普通選挙で選出したところで、香港は巨大な中国国家の一地方自治体に過ぎず、今や中央政府を動かす力はなくなったに等しい。
実質変えられること、実質変えるべきことと言えば、香港における貧困の差くらいではないのか。
貧困の差、それゆえの未来への絶望感こそが香港の抱える真の闇だと思うが、それを正直に言ってしまうと国際社会の関心は引き付けられないもんな。
貧困の差については次回にでも投稿しようと思う。